Part 2

天龍峡 平成7年(1995年)
         F20号(72.7cm×60.6cm)

 田舎の名勝,天龍峡です。
 平成6年春,ここの龍峡亭で妻のお母さんの米寿のお祝いをしました。
 子供の頃から,この天龍峡には何度も来ていて,思い出が一杯ある所ですが,ここの正面に風越山が見えることを始めて知りました。
 風越山は,中央アルプスの南端にあり,この山の下に信州飯田の台地が広がっています。
田舎では,通称権現山と呼ばれ,誰でも一度は頂上の権現さん(お宮)にお参りをしています。
 大晦日は昔は松明,今は懐中電灯の明かりを頼りに初参りをしています。どの山の上にもその地のお宮がありますから,大晦日は山に明かりの行列ができていてきれいです。
 私も何回か初参りをしましたが,家が半農の下駄屋だったので,一度父の作った新しい下駄で登って苦労したのを覚えています。
(当然,登山道は雪道だから)
 今でも思い出す景色があります。
 月夜の雪山は,薄明るく,眼下の町の灯りや鎮守の森が,薄い白の台地の中で子供と羊が遊んでいるような光景で,加えて除夜の鐘があちこちで鳴って,とても幻想的です。
 田舎の景色は,どこを見ても思い出が一杯です。

 第十一回 鳳墨会水墨画展(平成7年) 
             佳作

尾瀬ヶ原遠望平成8年 (1996年)

         P20号(72.7cm×53.0cm)
       

 平成7年の夏に尾瀬を4日間歩きました。
 この絵は,鳩待峠から至仏山への途中,お花畑の手前から尾瀬ヶ原を見た景色です。
 この日は朝靄が薄く,それが消えて,蛭ヶ岳,その向こうに乗鞍岳が望め,天気も良く爽やかでした。
 この後,尾瀬を3日間,丁度NHKの中継と重なり人は多かったが,朝早くから隈無く歩き,自然を満喫しました。

 第十二回 鳳墨会水墨画展 (平成8年)佳作

稜雲涼気平成9年 (1997年)
    
P30号(90.9cm×65.2cm)
       

 平成8年の夏,乗鞍高原を散策し泊り,翌日霧の中を乗鞍岳に行きました。
 頂上に行けば霧が晴れていることを願って,視界50mの中を3時間苦労して登りました。  しかし,頂上は無情にも時々雲間に青空が一瞬見える程度で,もう50
m上が雲の上のようで残念でした。
 次の日,新穂高温泉を早朝に出て,西穂高の途中の西穂独標へ行きましたが,この絵は,お花畑の下の岩場からの景色です。
 手前に焼岳,その左下の谷が上高地,その向こうに前日霧の中を登った乗鞍の峰々が見え,行程を1日ずらせば良かったかと悔やまれました。

  第5回 神奈川県水墨画公募展(平成9年)
           初出品 初入選
華厳秀気平成8年 (1996年)
         
         P20号
(72.7cm×53.0cm)
   
 流れ落ちる荘厳な瀧を描いてみようと,平成2年日光へ行った時に,滝見台から撮った写真をもとに描きました。
 瀧の上の岩は,この後地震で落ちて平成11年に行った時はありませんでした。
 瀧はどうやって描いたらいいのか…,紅葉を見がてら奥多摩の美術館の,瀧の水墨画の大作を見に行き圧倒されました。
 そして,何とか水が落ちるようには描けたのですが,瀧はよく見ると荘厳さの中で落ちる水は柔らかく落ちています。
 次は,柔らかく描こうと思います。

  第十三回 鳳墨会水墨画展 (平成9年)
                会長賞

早春静流平成10年 (1998年)
       
         F30号(90.9cm×72.7cm)


 上高地へは,一般車乗り入れ規制前に行ったことがありますが,平成9年の晩秋,2日間ゆっくりと散策しました。
 ここは,明神池の少し手前の所ですが,笹の葉や水の流れを描こうとしましたが,水の流れは大変難しく勉強になった。



  第6回神奈川県水墨画公募展(平成10年)
             
初出品 初入選

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